研修医の戯言

周りの大人が教えてくれないことを書いていきます

医学部の学生生活

医学部の学生生活について書く。

 とは言ったものの、医学部と言っても大学によってかなり学生生活は変わるため、一括りにするのは難しい。

 ここでは全国の医学部に共通したカリキュラム、特徴を書く。

 

 まず、医学部の授業は概ね必修である。

一般的な大学では4年間で必要な単位数を取って卒業となり、単位のためにとる授業は必修を除いて人それぞれであるが、医学部では専門課程(主に2年生から)の授業は全て必修であり、学年全員で同じ授業を受ける。

学年ごとに取る授業が決まっており、基本的には1つでも単位を落とすと留年である(例外もあり)。

医学部は1学年およそ100人である。

つまり、この100人の固定メンツで4年生くらいまで同じ講義室、実習室で過ごすこととなる。

4年生までと書いたのは、4年生の終わりから病院実習が始まりいわゆる座学というものが無くなるからである。

想像以上に閉鎖空間である。悪い噂、恋話とかはすぐに広まる。入学したてに同期で付き合って、1年くらいしてすぐ別れてその後ずっと気まずくなる奴もいる。1年生で付き合ってその後6年を全うするカップルなんてほんとに一握りである。とは言っても閉鎖空間ゆえ、やはり同期で付き合いやすいのは間違いなく、1年生で付き合う奴はかなりいる。当然、告ってフられるやつも出てくる。閉鎖空間ゆえ、フラれたなんて話もすぐに広まり、かなり尾を引く。受験勉強から解放され舞い上がる気持ちも分かるが、同期と付き合おうと思うならくれぐれも慎重に。

 

 

サークル活動についてだが、医学生は基本的に部活に所属する。詳しくは記事を読んでほしい。

 

medistudy.hatenablog.com

 

医学部はかなり部活動が盛んだ。東医体、西医体、リーグ戦に向けて練習に励んでいる。厳しい部活に入ると、大学生活のほとんどを部活に費やすことになる。自分の入る部活は慎重に選んだ方がいい。部活の選び方は、この記事を参考にして欲しい。

 

medistudy.hatenablog.com

 

医学部の大まかなカリキュラムを書く。

授業は、1年次は教養課程であることがほとんどで、医学の勉強はあまりしない。

教養課程というのは、高校の延長のような授業で数学や理科(物化生)、英語などを学ぶ。

体育があったりもする。

総合大学では、他学部の学生と混じって講義を受けたりする。

2年生から基礎医学が始まる。

基礎医学というのは解剖や組織、生理などいわゆる人体の仕組みについての学問である。

これが恐らくどの大学でも鬼門である。

鬼門というのは、基礎医学の科目は単位を取りづらいものが多く、2年生で留年する人が最も多いということである。

基礎医学の試験が難しい理由としては暗記量が膨大かつ内容が理解しにくい、教授が意地悪(偏見)などが挙げられる。

実習もめんどくさい物が多い。

めちゃめちゃスケッチやらされる。

二度と医学部2年生はやりたくない。

それを無事乗り越えると、3年生から4年生にかけて臨床医学が始まる。

臨床医学とはいわゆる病気の勉強であり、心臓、腎臓、呼吸器と言った人体の部位ごとにどんな病気があるかを勉強する。

大学にもよると思うが、少なくとも私の大学は3、4年生という時期はかなり楽だった。

試験は過去問通りでかつ選択式だから、一夜漬けでなんとかなったし、試験内容も分かりやすい。

思うに、臨床医学の講義を担当する先生は、普通に外来に出て患者を受け持つなど、いわゆる医師として働いているため、学生の相手をしている暇がないのだと思う。

だから試験も使い回し。勉強した記憶がほとんどない。

 

だが、臨床医学が一通り終わる頃、すなわち4年生の終わりに、CBT、OSCEという試験が待ち構えている。

CBTは選択式のテストで、OSCEは診察の実技試験である。

これらの試験は病院実習に出るために必ず合格しないといけないもので、全国の医学部で共通の試験として実施される。

この試験にも一応再試はあるが、再試に落ちると当然留年となる。

試験範囲はこれまでの勉強内容全てである。

範囲は膨大であるが、聞かれることは基本的なものが多く、また定番の問題集があるため、それをしっかりこなせばまず落ちない。

とは言っても今まで試験前しか勉強してこなかった輩にはかなり苦しい(まあ私のことなんだが)。

私は試験前の約3ヶ月間、ほんとに受験生のような生活を送っていた。

晴れてCBT、OSCEに合格すると病棟での実習が始まる。それが6年生まで続いて、その後国家試験を迎え、合格すると晴れて医師となるわけである。

 

と大まかなカリキュラムはこのような感じであって、これに各大学が試験を付け足したり、研究期間を設けたりなどする。

研究期間を使って留学に行く人もいる

緩い医学部とキツい医学部は明確に存在する。緩い医学部は試験の数は最小限で、あまり留年させない。一方キツい医学部は試験が多く、バンバン留年させる。

自分の目指す医学部が緩いかキツイか気になる人へ。

まず判断の目安として入学偏差値がある。

高偏差値の医学部でキツイという話はほとんど聞いたことがない。

一方底辺私立医学部は大変そうである。

より詳しく知りたかったら、実際に留年している人の数を調べると良い。

「〇〇大学医学部 留年」でググれば多分出てくる。

緩い医学部ライフが送りたかったら高みを目指して欲しい。

とは言っても、医学部だから6年間勉強漬けってことはどの大学でも多分ないとは思う。

 

ばーい

K